reportレポート

わくわくすることを一緒にしよう!
子どもからご高齢の方までまちを楽しむ場づくり
茶山台の地域連携グループ「ちゃやミーツ」

「ちゃやミーツ」、とは

住んでいるまちは、「誰もが楽しめる場所であってほしい」。その反面、「自分に何ができるのだろう…」と悩んだことはありませんか?自分の得意なことを活かしつつ、まちも元気にできたなら、なお嬉しいですよね。

今回ご紹介するのは、年齢に関係なく楽しめるまちづくりをめざす「ちゃやミーツ」の取り組みです。泉北ニュータウンの泉ヶ丘駅に面する堺市南区茶山台で地域を盛り上げようと、住民と企業、法人、NPOなどがチームになり活動しています。

茶山台ってどんなところ?

難波から泉北高速鉄道でおよそ30分で泉ケ丘駅に到着。茶山台は泉北ニュータウンの玄関口でもあります。

茶山台近隣センターに地域密着型特別養護老人ホーム「グランドオーク百寿」が開設されたのは2015年11月のことでした。福祉の提供はもちろん、さまざまな世代が集う場所として地域交流にも力を入れていて、施設内には誰でも利用できるOAK(オーク)カフェがあります。また、隣接する公社茶山台団地には、集会所を住民さんの交流スペースとして活用している「茶山台としょかん」もあります。

OAKカフェの店長大辻佑介さんと、「茶山台としょかん」としょ係(当時)の東善仁さん恭子さん夫妻、そして団地を管理している大阪府住宅供給公社が、お互いの情報交換の場として地域連携グループ「ちゃやミーツ」が生まれました。

それぞれが地域の活性化に取り組んでいる者同士。「一緒に茶山台を盛り上げよう」と、人と人がつながるまちづくりをめざし、隔週水曜日を原則にミーティングを行っています。

流しそうめんから巨大紙相撲までやってしまう!「ちゃやミーツ」の活動をご紹介

「ちゃやミーツ」が、最初に企画したのは「公社茶山台団地の大階段を使った流しそうめん」でした。普段は通るだけの大階段を活用した珍しいイベントに住民さんがたくさん参加しました。気候のいい秋には親子参加を呼びかけ「段ボールでつくる巨大トントン相撲大会」を開催!地域に隣接する大蓮公園で大人と子どもの歓声が響き渡りました。


「茶山台を元気にするために住民さんの声を直接聞きたい」と、座談会イベント「ちゃやのま」も開かれました。OAKカフェを貸し切って晩ご飯を食べながら住民さんそれぞれの得意なことや意見を発表。「イラストが得意だからイベントのチラシ作りならできます!」や、「昔洋裁の仕事をしていたからリメイクが得意」など、年齢に関係なくみなさん何かと得意ごとがあったようで、メンバーの大辻さんは、住民さんがまちのくらしを楽しみたいと思うニーズと、住民さんそれぞれの得意ごとがマッチングし結びつけば、茶山台の活性化につながっていくと感じたそうです。

楽しそう!わたしも参加したい!の気持ちで集まったメンバーとウェディングを企画

イベントを重ねていくにつれ、メンバーも増えていきました。出版社での編集経験がある茶山台住民の山田聡子さんや、元デザイン会社勤務で、茶山台には住んでいないけれど「ちゃやミーツ」の活動に興味のある高尾明絵さんが加わり、2017年6月には公社茶山台団地内で東夫妻の結婚パーティー「団地deウェディング」を作り上げました。

チラシやパンフレット、茶山台地域のマップも手作り!地元だからこそ知っている茶山台ビューポイントを細かく表示し、遠方から来るお客様に茶山台のいいところを知ってもらいたいとの想いが詰まっています。

ウェディング当日は朝から、大工の住民さんを筆頭に子どもたちも手伝って木々を寄せ集めたゲートやテントを設営し、風船での会場装飾なども手伝ってくれました。司会進行役は日頃から暖かい接客スタイルの大辻さんが担当。ケータリングのお料理が並ぶ中、島根出身の新婦が名産の赤てんを自らホットプレートで焼いてお客様に配るという、なんともアットホームな雰囲気。新郎が演奏するスティールパンバンドの音色が団地を彩りました。

非日常的な鮮やかな団地空間を作り上げ、団地内外から参加された150名を超えるお客様が夫妻を囲みました。

メンバーの高尾さんはこう考えています。


「ちゃやミーツは地域を活気づけてくれる救世主。はたまた地域の人と人をつなげてくれる架け橋。仕事を辞めて初めて暮らすまちで子育てをすると、外に出てみても人と世間話をすることさえ、いかに難しいことかと気づかされました。もっと昔のようにご近所同士が顔見知りになって、“お互い様”の社会になれるよう、ちゃやミーツの活動が赤ちゃんからお年寄りまでみんなをつなぐきっかけになれば」

メンバーが続々と増え続けている「ちゃやミーツ」

現在は、東夫妻は茶山台から引っ越しされましたが、新たな住民さんもメンバーに加わり、活動はそのまま続いています。11月4日に開催された、グランドオーク百寿が主催するイベント「CHAYA FES’ 2017」には、ちゃやミーツとして企画、参加。

当日は、「0歳から100歳までEnjoy!CHAYAMA!!」のコンセプト通り茶山台エリア内外から年齢に関係なく、たくさんの方がお越しになられていました。

「地域参画や地域密着において、地域内だけを対象にして収める必要は全くないと思いました。年も立場もエリアも関係なくつながり、つながりが深まることが大切です。たくさんの可能性を外からも地域へ持ち込み、それをどのように活かすことができたのかを発信する。CHAYA FES’ を通じてこのようなスタイルに新たな地域創造の可能性を感じました」

と大辻さんは振り返っています。

昔のようにご近所さん同士が助け合う風景はみられなくなっているなか、地域の交流を自治会という枠ではなく、暮らしを楽しみたい住民さんが自然と集まり地域を動かしている茶山台。その影響を受けたほかの地域でも「やってみよう」という声が挙がり始めているそうです。

まずは自分の住んでいる地域に興味を持ち、そこから些細なことでもいいから自分の得意ごとに気づき、住民同士で集まってみませんか。地域の活力は、ひとりひとりの得意ごとの集まりだということを住民さんに対して発信していくことが、まちの暮らしを楽しむ第一歩になるでしょう。

 

おしらせ

「ちゃやミーツ」は随時メンバー募集しています!誰でも気軽にご参加ください。
隔週水曜日9時30分~11時 
※ミーティング開催日はOAKカフェの大辻さんまでお気軽にお尋ね下さい!
グランドオーク百寿内 OAK(オーク)カフェ(大阪府堺市南区茶山台3-22-11)

◎市民ライター・プロフィール
白石千帆
堺市南区在住。地元は和歌山市。1年前に夫の転勤により、東京から夫の生まれ育った堺市へ。住んでいる団地のサードプレイスづくりを実践模索中。新しく住むまちのことをもっと知りたいと思い市民活動に加わったり、育児を通して感じた泉北の豊かな自然を更に活用できないか?などと、常に妄想しています!