reportレポート

全ての世代が健康づくりを愉しめる公園に!
栂・美木多駅周辺の“にぎわい”をめざす
原山公園の再整備計画

原山公園の再整備計画ってどんな計画?

あなたは、もっと気軽に運動したい、継続的に健康づくりをしたい、と思ったことはありませんか?健康を意識してスポーツクラブに通ったり、近所の公園でウォーキングやジョギングをしている方もおられるでしょう。

そんな方に、ぜひ紹介したいお話があります。平成32年7月に全面オープンが予定されている原山公園の再整備計画です!

この再整備計画は、栂・美木多駅周辺のにぎわいの創出を図ることを目的に始まりました。具体的な計画として、1年中使える屋内プールを新たに建設し、スポーツ欲求を刺激するテニスやフットサル用の多目的コートを設置します。さらに住民の憩いの場となるような、気軽に立ち寄れるカフェもつくることになっています。

また、現状のやや鬱蒼とした森を間伐することで、光を取り入れて明るい森に再生します。また、園路を再整備するなどし、愛される公園にリニューアルします。ため池に沿ってぐるっと一周歩ける周遊路も整備することで景観を楽しめるようになります。すこやか広場にはアスレチック遊具を設置して見通しの良い明るい広場へと生まれ変わります。

そして、この再整備計画の一番のコンセプトは『子どもから高齢者まで、誰もが健康づくりを愉しむきっかけをつくる公園』なのです。

健康づくりを愉しむきっかけをつくる公園とは?

この事業を担当する堺市公園緑地整備課の山口さんにお話を伺いました。

「原山公園には、子どもから高齢者まで全世代が気軽に運動できるような施設を造ります。例えば、屋外プールは泉ヶ丘プール同様にファミリー世帯を中心にご利用いただき、屋内施設では多様な健康づくりのプログラムを提供することで、全世代にご利用いただけます。そして、アスレチック遊具は小学生くらいの子どもたちが利用できるものを設置します。原山公園は住民が誰でも、外に出て気軽に健康づくりを愉しむきっかけとなる場所に生まれ変わります」

なかでも屋内施設を、1年を通じて人が集まる施設にすることが、原山公園の活性化のカギとなりそうです。この屋内施設は誰でも気軽に使いやすい施設になる予定。具体的には、1階が更衣室、2階は25mプール、3階はスタジオとトレーニング室となり、健康づくりを主軸とした施設となります。

例えば、水泳教室はベビーコース、親子コース、学童コース、成人コースといった、全世代を意識したプログラムが計画されています。また、スタジオを利用したヨガや太極拳、体操などのプログラムは、健康づくりだけでなく多世代のコミュニケーションづくりにもなります。誰でも気軽に利用できるからこそ、コミュニケーションの輪が広がりやすく、この地域全体のにぎわいに繋がるのですね。

原山公園再整備計画 担当者の皆さん

左から3名、堺市公園緑地整備課 山口さん、中野さん、辻本さん。左から4番目、原山公園PFI株式会社小林さん(再整備事業は民間のノウハウを活用して公共サービスを効率よく提供する手法を採用。原山公園PFI株式会社は、本事業の実施を目的として設立された会社です)

泉北ニュータウンができた当初、子どもたちの楽しみは外に出て里山や森で遊ぶことでした。しかし、50年たった今、パソコンやゲーム等の娯楽が増え、子どもから大人まで外に出ることが少なくなったように思います。それに伴って体を動かす機会も減少しました。

「普段から運動する機会の少ない子どもや高齢者が、継続的に運動するようになれば、生活習慣病や認知症の予防につながりますし、公園に人が集まることでにぎわいを取り戻すでしょう。原山公園の活性化により栂・美木多駅前のにぎわい、ひいては泉北ニュータウンのにぎわいに繋げたいです」と中野さんは思い描いておられました。

駅前の自然こそが、栂・美木多地区の良さなのです

泉北ニュータウン内で、いま最もにぎわいであふれている地域は泉ヶ丘駅前です。しかし、栂・美木多駅前には泉ヶ丘駅前にはない良さがあると、担当者の辻本さんは教えてくれました。

「泉ヶ丘駅は商業施設の充実で栄えてきましたが、栂・美木多駅は駅前の自然や公園の良さを生かした新たな施設を作ることで、にぎわいづくりができると考えています。例えば、栂・美木多駅前には従来から、西原公園と原山公園という自然豊かな場所があります。この『自然』とは、人の手が加えられた、景観の良い、人にとって居心地の良い自然です。そこに健康づくりを愉しめる施設が充実すれば、今までにない駅前施設となるでしょう。再整備後は、地域密着型のイベントが実施され、人々が交流を楽しめるエリアとなります」

それぞれの駅の特色を生かした発展がある方が、住民にとっても様々なまちの特色を楽しめます。余暇の過ごし方も選択肢が増えますね。

経年と共に失くしたにぎわいを取り戻したい

泉北ニュータウンは50周年を迎えました。当初、原山公園は里山として、子どもたちがみんな森に入って遊ぶような明るい場所でした。しかし、年月の経過とともに森は豊かさを増す半面で鬱蒼とした景観に変わりました。かつて遊んでいた子どもたちは親となり、自分の子どもに“あの公園は鬱蒼として危ないから入ってはダメよ”と教えなければならない森に変わってしまったのです。公園は本来、住民の憩いの場となるべき場所なのに、そう言われてしまうのはなんだか寂しいですね。

原山公園再整備計画の担当者の皆さんには、こうした住民の公園に対するイメージを変えたいという共通した思いがありました。

「この再整備計画によって原山公園が明るい場所に生まれ変わり、失ったにぎわいを取り戻したいのです。また、地域密着型のイベントや施設の管理により取り戻した明るさを保って、栂・美木多駅前の継続的なにぎわいに繋げたいですね」

この再整備計画は、原山公園が“誰もが健康づくりを愉しむきっかけとなる公園に生まれ変わる”ことが1番の目的ですが、里山はもとより公園全体を活性化すること、そして、栂・美木多駅前のにぎわいに繋げていくという役割もあるのですね。

泉北ニュータウンの魅力をまもるために

今回の取材を通じて、公園を健康づくりに役立たせ、より良い環境にすることによってまちのにぎわいを図るという視点もある事を学びました。それは泉北ニュータウンの今後の発展の一つのヒントになるでしょう。

泉北ニュータウンはまちびらき当初より、自然豊かな魅力あるまちです。その中で、月日の流れとともに姿を変えた公園や里山も、この原山公園の再整備計画のように、少し人の手を加えることで、人々が集まってにぎわいのある場所に生まれ変わる余地はまだまだたくさんあると思います。

また、整えられた自然や公園を利用するわたしたちがきちんと管理し、美しいまま次の世代に残すという意識を持つことも大切なのではないでしょうか。

原山公園は多くの住民が健康づくりに励み、コミュニケーションの場となる、明るい公園に生まれ変わります。今から原山公園の再整備が待ち遠しいですね!

お知らせ

◎原山公園再整備計画 スケジュール

2017年10月以降 設計・建設開始
2020年7月1日 屋内外プール 供用開始 

◎市民ライター・プロフィール

黒田真須美
フリーライター1年目。大阪府立大学経済学部卒業。銀行勤務を経て、現在は主婦業をしながら執筆中。実績は大学の卒業論文で優秀卒業論文賞を頂いたことくらいですが、今後、多くの人に”読んで面白かった”と言って頂けるようなライターになるべく頑張ります!お読み頂き誠にありがとうございました。